多年にわたり、本誌上にユニークなマンガ入りの連載を執筆してくれた偉友、山本良一氏の逝去を謹んでお知らせする。
5月23日、72歳で昇天と、御子息からのお知らせをいただいたのは残念ながら7月。ガンだった。 山本さんは桑沢デザイン研究所で学び、池袋にデザイン事務所を構えて後進のデザイナーを育て、また、日刊工業新聞社のデザイン系の講座や産能大の講師を続け、かたわら横浜・大倉山に和菓子店を営むなど、デザイン力を八方に発揮してきた素晴らしい方だった。
本誌500号(平成9年2月号)では「売れる商品うら読み百科」の連載特別記念号で「スポンサーがデザインを育てる。」をマンガ入りで3頁にわたって寄稿してくれているが、今読んでも面白い。
「何でも自然食品が良く、何でも手作りが好きなように見えるが、そうだとしたら、高度成長期の量産システムや品質管理手法は無用のものになってしまう。振り返ってみると、成長期に捨ててしまった大切なものがあり過ぎるような気がする。秀れた職人の手によるものと、量産品は切れ味が違う。良い職人を育てるシステムが崩壊してしまったら、なかなかのこりにくいかも知れない。良い職人芸を伝承させるには弟子入りしか方法がないはずだが、今の社会システムでは、個人企業が新入社員を採用するのは、大企業である○○商事が新入社員を採用するのと同じ方法である。この方法で秀れた技が伝わるだろうかと心配する」
無印良品のデザインを最初に手がけたことで知られる山本氏だが、その当時から環境を重視していた。最近は有機野菜栽培農家と連携し、リサイクルシステムを取り入れた循環農業の事業を構築しようとしていたところだった。いつも一生懸命走り続ける人だった。
食品研究社 社長 園田 昭司
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