中国キムチが大増産、日本は浅漬下回る
昨年、本誌のこの食品界漫歩(8月号)で「キムチを汁まで利用する」という一文を書いた。
そこでは「日本の漬物の40%を占めた日本のキムチ」と書き、また中国産のキムチの「安さ」を武器にした売り込みを問題として提示した。
先頃、食品需給研究センターという、食品の需給に関する数字を調査して発表している団体が「キムチの生産量の数字は実際の2倍に計算されていた」ことを明らかにした。
浅漬を抜いて、漬物のトップになったとされたキムチが「今まで一度も浅漬を上回ったことがなかった」と発表の数字を訂正したのだ。
「キムチが日本の漬物のトップになった」とばかり思っていたが、真っ赤なウソだった。
その間に、キムチは実際にも反落していたわけだから、今になって「間違っていた」といわれても、
数字が商売の調査機関がこれでは、無責任もはなはだしい限りだ。
この調査機関が漬物の生産量の数字を発表しはじめるまでは、食品研究社が塩の使用量などから測定して漬物の生産量の発表に一役買っていた。
漬物の生産量は単純な計算ではわからないものだ。
ところで、キムチの生産量はいま中国で急増している。人件費が安く、原料野菜は豊富で、大消費地の日本と韓国が近い。
いま、製造工場は続々と建設中で、本場朝鮮半島をしのぐ活況だという。
北朝鮮も独自のノウハウで中国に進出している。
北京市郊外にある韓国の大手食品メーカーの「斗山」の工場では日産15トンという中国最大の生産量だ。
ここ数年、中国には韓国系と中国系のキムチ工場がすでに200社を超え、多くは韓国に近い青島に集中。
北朝鮮も青島に設立して「妙高山キムチ」を年間100トン生産、北朝鮮の人が直接漬け込んだ“本物の味”を売っている。
中国から韓国へのキムチは前年の3倍強、韓国の輸入キムチの99%が中国産。
中国では韓国の3分の1のコストで韓国産と区別できない味にしているという。
株式会社食品研究社 社長 園田昭司