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食品界漫歩

フードリサーチ」2006年1月号より

伝統ある漬物業界よ頑張れ

漬物は、加工食品としてもっとも古い食品のひとつである。 昭和20年、戦争に負けて、復興に向かいはじめた中でも漬物業者が他に先んじて、漬物企業を立ち上げて全国的に活動がはじまった。

文献をみると、昭和21~22年に創業された漬物企業が多い。 サッカリンの使用許可等もあって、昭和30年代に入って野津漬物、東海漬物、新進漬物、忠勇の4社を中心に、全国的に漬物企業が発展期に入り企業数は4000を超えた。

ビニール小袋入りから小袋詰めになって、30年代半ばには、東海、野津両社を中心に大きく漬物の販路も広がった(本誌もこの頃、創刊した)。

一時は、平成10年代の前半に漬物の生産量は100万トンを超え、まことに前途に希望のもてる状況を迎えたかに見えた。 しかし、良い事は永く続かないといわれるように、本漬たくあんに代わって、浅漬が販売を伸ばした。

昔からの漬物業者からみれば、「浅漬」などは漬物ではない」と否定するうちに、本漬をおびやかす存在に躍進、 その後、野菜との競合により薄利に悩まされ、これを助ける日本式浅漬キムチが台頭、急速に売上げを伸ばした。 一時は、“漬物の王者”とまでいえる位置にまで販売量を伸ばし、スーパーの中には専用コーナーを設けるところまででてきた。

安い産地を求めて、日韓の漬物業者が山東省を中心に中国の安価な原料での漬物生産を拡大、梅干からキムチまで、中国を頼る中で、中国産キムチが日韓に上陸した。

韓国の食堂は、キムチを無料で客にいくらでも提供する習慣をもつ。なんとその中の、60%が安い中国産キムチになったという。

日本でも、中国産キムチとの競争もあってひと頃の「キムチブーム」が去ってしまったところへ、中国産キムチの虫卵含有報道があった。 日本の漬物は業界の浮沈にかかわるほどの打撃を受けた。伝統のある漬物業界よ頑張れ。

株式会社食品研究社 社長 園田昭司

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