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食品界漫歩

フードリサーチ」2006年6月号より

食は命、なのだ

「いよいよ、その時がきたか」と思ったのは、5月4日付けの朝日新聞で厚労省研究班の「アガリクスなど論文精査」という記事を読んだときであった。 連休中にも拘わらず、ある方から電話をいただいて、直ちに新聞販売店から取り寄せて読み、そして四国がんセンターのホームページが公開している手引 「がんの補完代替医療ガイドブック」を読んだ。

アガリクス、プロポリス、AHCC、サメ軟骨、メシマコブ。 いずれも抗がん効果が民間で信じられてきたものだが、研究班は 「がんの縮小や延命効果など、多くの患者が期待する直接的な治療効果を証明する報告はほとんどなかった」としている。

これをまとめたのは四国がんセンター病棟部長住吉義光氏だ。 キノコなどの健康補助食品に「補完代替医療」の効果を期待する動きが広がっているなかでおこなわれた“否定的発表”である。 悪質なブック商法が司直の取締りにあった事件で、いわゆる“健康食品業界”が沈んでいるときに、“息の根を止められる”ようなことがはじまった。

しかし、このようなことがいつか起きるということは、判っていたことでもある。 現代は科学的に認証されなければ取締まられる時代に変わってきている。 それを読み切っていることが必要なのだ。

これからは、官と医と薬の大手企業が手を組んで、完全な統制に入って行く方向に動いていく。 健康食品業界をリードしてきた森谷健康食品が富士バイオメディックスという医薬品企業に株式の9割を渡した。 従来、健康食品は8割が健食業者、2割が薬の業者扱いといわれてきたが、あと一年のうちにこれが逆転するという予測もある。

国民の健康は誰が守っていくのか。 多くの患者とその家族、そして不安におびえる国民を誰が救うのか。 つまる所は、健康は自分で守る。 そして「食は命」なのだ。

株式会社食品研究社 社長 園田昭司

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