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「フードリサーチ」2007年12月号より
“不安な時代”という話

食品に関わる仕事をしている企業は、大企業から零細と言われる小企業まで無数にあるし、それらの企業に関わりを持つ企業は膨大な数である。しかし、そのほとんどが原料の不足、原料の供給過程の問題で、不安な時代を迎えている。

一部には、そのような状況を奇貨として商売を伸ばしている企業もあると聞くが、大部分の企業は、急激な変化にとまどっていると思う。それに対する、特効を期待できる方法が無いといわざるを得ないのは、まことに残念なことである。

しかし、爆発的に増加する“発展途上国”と位置づけられてきた諸国は、それぞれに豊かな国づくりに励んできた。その結果、食べものに対しても、良質なもの、味のよいものへと向かう嗜好の流れと、それを支える経済力の充実で必然的に“おいしさ”を求め、品質の向上を促すようになってきた。

40億人を超えるというこれらの途上国の国民の、食生活の質的向上は、必然的に食糧の需要増となる。

バイオ燃料への需要増加が引き起こしている食糧の大幅な減産は、短期に終息する問題とも思えない。食糧のための農産物だったものが、燃料のための作物としての需要に応えるために、作付けされる。食べるためではなく、燃料の原料のためという現実。増え続ける人口と、食生活の変化による需要増の中で、今後の食糧への危機感は増すばかり。

一部で進められている砂漠の耕地化や海中農園構想など、ユメの夢。とてもコスト的には引き合わない。肥満で困る人が増え続ける中で、一人当たりの食べる量を規制するなどという、とても実現不可能な話よりも、“健康のための”というダイエット食の方がまだ現実性があると、真剣に考えだしている人もいる。

そうした中での“株価の値下がり”。その方がよほどコタえる人がいるのかも。

食品研究社 社長 園田 昭司


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