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「フードリサーチ」2008年3月号より
消費者が受け入れられる価格の設定


食品や食品の原料の値上げが続いている。

食品の値上げがどのくらい増えているか、特売の多いスーパーの店頭からは見えにくいが、希望小売価格や出荷価格の値上げは“検討中”まで含めると、もう80%をこえることが本誌の調査でもわかってきた。

対象分野も冷凍食品、油脂・調味料、アルコール飲料、ソフトドリンク、乳製品、漬物、菓子、パン、缶詰、そして惣菜や肉や卵類にまで及ぶ。戦後の一時期を除けば初めてだ。

値上げの理由は原材料費と物流費の高騰が多い。3月末までの実施を考えている企業が多いが、値上げをしない企業の多くは「まだコスト削減の余地がある」「競合他社が価格を据え置いている」などの理由をあげている。しかし、資材や原料の値段が世界的規模で値上がりしている中で、ガマンがいつまで続けられるだろうか。

大体、経済のデフレ気味な中での販売競争が続いてきて「日本の物価は安くなり過ぎだ」という見方が強くなっていたのだ。

菱食の後藤雅治社長が「当社では1990年から2006年までに、ケース出荷単価が33%も下がった」といっている。

これでは、メーカー、卸も小売も、企業として再生産に投じる適正な利益を確保できない。中国を筆頭として、高成長が続く世界の食糧需要が増える中で、干ばつやバイオエタノールへの資源の転用で、食糧の供給と在庫が逼迫している時だ。これは今後も変わることがない条件だから、当然、不足している資源を使うための値上がりは避けられない。

「これからは、商品そのものに付加価値をしっかりと付けたメーカーが、そこで得た利益で小売りなどのサプライチェーンのなかのすべての企業が健全に分け合えるような価格体系にしなければならない」と前出の後藤社長は断言している。価格の決定権は消費者にある。この“総値上げ”の中で消費者が受け入れられる価格での提供に努力することだ。

食品研究社 社長 園田 昭司