愛知県刈谷市の人材派遣会社が、派遣先から「派遣切り」にあった自社の契約社員6人を正社員として採用して漬物開発にあたらせ近く新製品を販売することになったという。
昨年秋まで自動車関連メーカーなどへ140人規模で契約社員を派遣したり、請負で働かせていた「アクティブ」社は、景気の悪化によって契約社員が65人になったが、何かを始めようと考えた同社会長松山氏が自分たちで漬物の商品化を計画。6人を正社員として採用して、牛乳からとれる乳清を使った漬物を研究し、辛いキムチがまろやかになることから、漬物メーカーと契約して生産を計画、事業化を進めるという話だ。
今回の不況はアメリカ発の世界的規模の大不況、日本は千五百兆円という個人金融資産を抱えながら、先行きの不安から大半が高齢世代のタンス預金になっていて企業投資に活用されていない。政治力の不足である。
厚生労働省は3月末までに職を失う非正規労働者が少なくとも8万5000人という試算を昨年末に発表しているが、失職者の数はそんな数字をはるかに越えると見る向きが多い。今年の6月末までに170万人が失業者になっているという試算を大和総研のエコノミスト渡辺浩志氏が発表している。輸出減少、株の暴落、合理化、企業倒産、失業という負の連鎖をどう止めるのか。「今回の不況は戦前の昭和恐慌に似て谷が深く、回復には時間を要しそうだ」という。
前回の恐慌(1927年・昭和2年)では、作家・芥川龍之介が「将来に対するぼんやりした不安」という言葉を残して自殺しているが、その2年後に、世界大恐慌となって日本社会も大変な損害を出している。
不況では自殺者がふえる。昭和恐慌でも日本は自殺者が急増して、1930年代には約1万4000人にのぼった。昭和20年代の不況でも高度成長に入るまでは10万人当たり25人前後という世界一の自殺率だった。
食品研究社 社長 園田 昭司
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