「百年に一度の大不況」に追い込まれてしまった日本の社会。食品業界も未曾有の冷たい風にさらされている。私がこの世に顔を出したのは昭和2年、この時は「昭和恐慌」の始まりの時。なんという事か。生まれた時も、80歳を過ぎた今も、大恐慌にさらされるという滅多に経験のできない巡り合わせだ。
日本財団特別顧問の日下公人氏は、今の社会を「日本人でよかった。なろうと思えばホームレスにもなれることこそ日本の“豊かさ”だ」という。そして「世界各国を回って、さまざまな経験をしてきた私が日本に生まれて良かったという理由を、おそらく多くの日本人は長寿を除いて異論があるだろう。だが、相対的かつ客観的に見てほしい」と次のように10ヶ条を示している。
日本人でよかった
- 長生きできること
- 安心して眠れること
- 友人が多いこと
- 娯楽が多いこと
- 食べ物が旨くて安心なこと
- 金持ちになれること(日本で働ける)
- 詰め込み教育をしてくれること(教育に熱心)
- ホームレスになれること(選択の自由でホームレスでも生きることができる)
- 刑務所に入れること(人道的、文明的、文化的な刑務所)
- 日本語ができるようになること(世界最高の知識人、文化人になれる)
日本国の力が世界を救う
「長寿」の項を除いて異論があるだろうと日下氏はいう。「貧すれば鈍する」の言葉どおり、世界から虚業を剥ぎ取った不況は、人々をなりふりかまわない生存競争に陥れた。
しかし2000年にわたって培ってきた日本の文化と技術の力は、世界に誇れる豊かな社会をつくり、世界を救うことになる筈だ。
食品研究社 会長 園田 昭司
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